大学生のPC選び|Snapdragon X EliteとIntel、どっちが正解?互換性とバッテリーで比較
- 公開日:2025/12/4
- 最終更新日:
- 大学生PC
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「大学生活に最適なパソコンって、どれを選べばいいの?」そんな疑問を持っていませんか?
最近、Snapdragon X Elite(スナップドラゴン エックス エリート)という新しいチップを搭載した「Copilot+ PC(コパイロットプラスPC)」が話題です。バッテリーが驚くほど長持ちし、スマホのようにサクサク動くと評判ですが、「従来のWindowsソフトが動かない」というリスクもあります。
この記事では、Snapdragon X Elite搭載PCと、従来のIntel(インテル)やAMD(エーエムディー)搭載PCを徹底比較し、あなたの学部や使い方に合った選び方を詳しく解説します。
💡 Snapdragon X Eliteは「スマホの頭脳をPC用に進化させたもの」
スマホやタブレットが長時間バッテリーで動くのは、ARM(アーム)という省エネ設計のチップを使っているからです。Snapdragon X Eliteは、この技術をノートパソコン向けに本格的に持ち込んだもの。スマホのように「すぐ起きる」「バッテリーが減らない」を実現しますが、一方で「一部のアプリが動かない」というスマホ特有の制約も引き継いでいます。
この記事を読めば、「自分にはどっちが合っているのか」「買ってから後悔しない選び方」がわかります。(専門知識は不要です!)
注:大学生に最適なPCの選び方は、学部や用途によって大きく異なります。この記事ではSnapdragon X Elite搭載PCの特徴とリスクに焦点を当てていますが、Intel/AMD搭載PCも含めて総合的に比較していますので、あなたに合った1台を見つけてください。なお、本記事の情報は2025年12月時点のものであり、今後のアップデートにより互換性状況は変わる可能性があります。
⚠️ 購入前に必ず確認すべきこと
Snapdragon X Elite搭載PCは、一部のソフトや周辺機器が動作しない場合があります。特に理系学部や、大学から指定されたソフトを使う必要がある場合は、購入前に必ず学部の推奨環境(BYOD仕様書)を確認してください。
結論とざっくり比較:どんな学生にどっちが向く?
まずは結論から。あなたの学部や重視するポイントで、おすすめは大きく分かれます。
Snapdragon X Elite/Plus搭載(ARM版)
おすすめな学生: 文系学生、持ち運びが多い人、新しもの好き
バッテリー持ち: ◎ 驚異的(実働10〜15時間以上)
動作の軽快さ: ◎ スリープ復帰が爆速
互換性・安心感: △ 特定のソフト・周辺機器で動かないリスクあり
ゲーム性能: △ 一部のオンラインゲームが非対応だが対応は拡大中
代表機種: Surface Laptop 7、Surface Pro 11
Intel Core Ultra / AMD Ryzen搭載(x86版)
おすすめな学生: 理系学生、ゲームもしたい人、失敗したくない人
バッテリー持ち: ◯ 普通〜良(モデルによるが7〜10時間程度)
動作の軽快さ: ◯ 安定している
互換性・安心感: ◎ ほぼ全てのWindowsソフトが動く
ゲーム性能: ◯〜◎ 機種によるが多くのゲームが動作
代表機種: Surface Laptop 6、Dell Inspiron、HP Pavilion
「毎日充電器を持ち歩くのが嫌だ」「レポートと動画視聴がメイン」ならSnapdragon。「授業で配られるソフトが動かないと困る」「たまに友達とVALORANTをしたい」ならIntel/AMDを選んでください。
Snapdragon X Eliteとは? Copilot+ PCの特徴とメリット
これまでWindowsパソコンの頭脳(CPU)といえば、Intel(インテル)やAMDが主流でした。そこにスマホ向けチップで有名なQualcomm(クアルコム)が本気で作ったPC用チップがSnapdragon X Elite(および下位モデルのPlus)です。
これらを搭載し、さらにマイクロソフトが定める高いAI処理能力(NPU 40TOPS以上)を持つPCがCopilot+ PCと呼ばれています。2024年5月20日にMicrosoftが正式発表し、同年6月以降に各PCメーカーから製品が発売されました。詳細はMicrosoft公式のCopilot+ PC解説ページでご確認いただけます。
メリット1:驚異的なバッテリー持ちと省電力
Snapdragon搭載PCの最大の強みは、圧倒的な省電力性能です。IntelなどのCPUとは設計思想(ARMアーキテクチャ)が異なり、スマホのように効率よく動きます。
例えば、Surface Laptop 7の動画再生時間は、13.8インチモデルで最大20時間、15インチモデルで最大22時間とされています。実際の大学生活でも、朝から講義を受けて夕方まで図書館で課題をしても、充電器なしで余裕で持つレベルです。詳しい仕様はSurface Laptop 7公式仕様ページで確認できます。
メリット2:スマホのような「サクサク感」
スリープからの復帰が非常に高速で、画面を開いた瞬間に顔認証が完了して使い始められます。また、発熱が少ないため、ファンが回らず静かなのも特徴です。静かな図書館で「ファンがうるさくて気まずい」ということがありません。
メリット3:オンデバイスAI機能
ネットに繋がなくても使えるAI機能が強化されています。
- コクリエイター(Cocreator): ペイントアプリで描いた落書きをAIが綺麗な絵に変換してくれる。
- ライブキャプション: 動画や通話の音声をリアルタイムで英語字幕に翻訳してくれる(日本語→英語も可)。
- Windowsスタジオエフェクト: Webカメラの背景ぼかしや目線補正が、PCへの負荷をかけずに高品質に行える。
大学生活での使用シーン別:文系・情報系・理系での快適さと注意点
【文系学生】レポート・プレゼン・動画視聴なら「最強」
法学部、経済学部、文学部などで、主な用途がWordでのレポート作成、PowerPointでのプレゼン、Webでの調べ物、Zoomでの授業なら、Snapdragon搭載PCは最強の選択肢です。
Officeソフト(Word, Excel, PowerPoint)やZoom、Teams、ChromeなどはARM版Windowsに最適化されており、動作は非常に快適です。バッテリーを気にせずキャンパス内を移動できる身軽さは、大きなアドバンテージになります。
【情報系学生】プログラミングは「概ねOKだが注意が必要」
情報系の学生にとっても、Snapdragon X Eliteは魅力的です。VS CodeやGitはARM版に対応しており、DockerもWSL2経由で利用できますが、x86環境に比べて制限が残る場合があります。GitHub CopilotなどのAIコーディング支援も快適に使えます。
ただし、授業で「x86(Intel)環境前提の古いツール」や「特定のライブラリ」を指定された場合、動かないリスクがあります。自分で解決策を調べられる「ギークな学生」には面白いおもちゃになりますが、初心者はIntel機が無難です。
【理系学生】実験・CAD・専用ソフトを使うなら「Intel/AMD推奨」
工学部や理学部の学生には、現時点ではIntel/AMD搭載機を強くおすすめします。
2025年12月時点では、理系で使用するCADソフト、統計解析ソフト(SPSSなど)、実験機器と接続するためのドライバの大部分が、ARM版Windowsでの動作保証を完全には提供していません。ただし対応は日々進行中のため、購入前に最新情報を確認してください。一部の大学では「ARM版Windows搭載PCは推奨外/非推奨」と明記しているところもあるため、購入前に必ず自分の学部のBYOD仕様書を確認してください。
理系学生がPC購入前に確認すべきこと
- 学科のBYOD仕様書に「ARM版Windows不可」と書かれていないか
- 授業で使うCADソフト、統計ソフトがARM版に対応しているか
- 実験機器のドライバーがARM版Windowsで動作するか
- 大学のIT窓口でSnapdragon搭載PCのサポート状況を確認する
互換性の論点:ARM版Windowsで動かないソフトのリスク
Snapdragon搭載PCは「ARM版Windows」という少し特殊なOSで動いています。
従来のアプリを動かすための「エミュレーション機能(Prism)」が優秀で、多くの一般的なWindowsアプリは問題なく動作します。ただし、全てのアプリが保証されているわけではなく、特にドライバーや一部の業務ソフトは事前確認が必要です。ARM版Windowsの制約の詳細についてはMicrosoftのARM版Windows公式FAQでご確認ください。
⚠️ 動作しない・不安定なソフトの例
- 大学指定のウイルス対策ソフト: 大学が配布するウイルスバスターやApex Oneなどは、ARM CPUに対応していない場合があります。特にTrend Micro Apex OneはSnapdragon X搭載PCでは利用できないと注意喚起している大学もあります。
- プリンタードライバー: 大学のオンデマンドプリンターや、自宅の古いプリンターのドライバーが対応しておらず、印刷できないことがあります。
- 日本語入力ソフト: ATOKは2026年2月6日よりArm版Windows 11に正式対応します(ジャストシステム公式発表)。2025年末時点では、最新版『ATOK Passport』はArm対応予定です。Google日本語入力もx64エミュレーション経由で利用できます。ただし、大学が配布する古いバージョン(2025年以前)の場合は対応状況を事前確認してください。
- 一部のオンラインゲーム: 詳細は次のセクションで説明します。
互換性は日々改善されていますが、「絶対に動かないと困るソフト」がある場合は注意が必要です。
ゲーム互換性:ARM版Windowsでどこまで遊べる?
Snapdragon X Elite搭載PCでのゲーム環境は、タイトルによって大きく異なります。
✅ プレイ可能なゲーム
- Minecraft(マインクラフト): ARM版Windows対応。快適にプレイ可能。
- ドラゴンクエストX: 動作報告あり。
- Fortnite(フォートナイト): 2025年8月12日、Epic GamesがEasy Anti-Cheat(EAC)をArm版Windowsに対応させたことで、Copilot+ PCでもプレイ可能になりました。※対応時期はアップデートにより前後する可能性があります。
- Apex Legends(エーペックスレジェンズ): 従来はアンチチートツールの制約により動作しませんでしたが、2025年8月のEasy Anti-Cheat(EAC)Arm対応により、Apex LegendsなどEAC採用タイトルの対応が進行中です。2025年12月時点では動作可能になる見込みが高い段階ですが、完全な動作保証はまだ確認されていません。最新の対応状況はApex Legends公式サイトで確認してください。
❌ プレイできないゲーム
- VALORANT(ヴァロラント): Riot Vanguard(カーネルレベルの独自アンチチート)がARM版Windows非対応のため、起動しません。2025年12月時点で対応予定はありません。
⚠️ ゲーム互換性の注意点
アンチチート採用のオンラインFPSには、ARM版Windows非対応のタイトルが存在します。ただし、FortniteやApex Legendsのように後から対応が追加されるケースもあるため、対応状況はアップデートで変わる可能性があります。最新情報は各ゲームの公式サイトで確認してください。
ゲームを重視するなら、現時点ではIntel/AMD搭載PCの方が安心です。
具体機種で比較:あなたにおすすめのモデルは?
🔋 バッテリー重視・文系学生向け(Snapdragon搭載)
1. Microsoft Surface Laptop 7
Copilot+ PCの代表格。デザインが洗練されており、タッチ操作も可能。画面が美しく、キーボードの打ち心地も良いため、レポート作成が捗ります。AI機能へのアクセスキーも搭載。
- 推しポイント: バッテリー最大20時間(13.8インチ)/22時間(15インチ)、美しいデザイン、純正の安心感。
2. ASUS Zenbook S 15 (S5507)
有機ELディスプレイを搭載し、映像が圧倒的に綺麗。映画や動画を楽しみたい学生に最適です。国内メーカーに比べてコスパが高いのも魅力。
- 推しポイント: 3K有機EL、120Hzリフレッシュレート、充実の端子類。
3. Lenovo Yoga Slim 7x
Snapdragon X Elite搭載の軽量モデル。持ち運びが多い大学生に最適で、バッテリー駆動時間も優秀です。
- 推しポイント: 軽量設計、長時間バッテリー、コストパフォーマンスに優れる。
🛡️ 互換性重視・理系/全学生向け(Intel Core Ultra搭載)
1. Dell Inspiron 14 Plus
コスパ最強の優等生。Intel Core Ultra搭載で、AI機能も使いつつ、従来のソフトも確実に動きます。理系学生の最初の1台としても安心。
- 推しポイント: 安定した性能、手頃な価格、Thunderbolt 4対応。
2. HP Pavilion / Envy シリーズ
デザインがおしゃれで大学生に人気。Intelチップ搭載モデルを選べば、互換性の心配なく4年間使えます。
3. Lenovo IdeaPad / ThinkPad シリーズ
キーボードが打ちやすく、レポート作成が多い学生に人気。頑丈なので毎日持ち運んでも壊れにくいのが特徴。
4. LG gram
とにかく軽さを求めるならこれ。Intel Core Ultra搭載の軽量モデルで、大画面なのに驚くほど軽く、荷物が多い大学生の味方です。
- 推しポイント: 業界トップクラスの軽量性、長時間バッテリー、Intel Core Ultra搭載で互換性も安心。
どんな学生はSnapdragon搭載PCを選ぶべきか
✅ Snapdragon搭載PCを選ぶべき学生
- 文系学部(法・経・文・教・国際など)で、レポートとWeb閲覧がメイン。
- 毎日PCを持ち歩くので、ACアダプタを持ち歩きたくない。
- iPhoneやiPadのように、スリープから一瞬で復帰してほしい。
- 最新のガジェットが好きで、AI機能を試してみたい。
- ゲームはスマホか家庭用ゲーム機でするから、PCではしない。
❌ Snapdragon搭載PCを選ぶべきではない学生
- 理系学部(工・理・医・薬・建築など)で、専用ソフトを使う可能性がある。
- PCゲーム(VALORANT等)をやりたい。
- 大学から「Intel/AMD製CPUを推奨」と指定されている。
- 大学配布のウイルス対策ソフトが必須で、ARM非対応の可能性がある。
- トラブルが起きた時、自分で調べて解決するのが苦手。
よくある質問(FAQ)
Q1. 就活のWebテスト(SPIや玉手箱)は大丈夫?
A. 基本的には大丈夫ですが、一部リスクがあります。
Webブラウザ(EdgeやChrome)で受ける一般的なテストは問題なく動作します。しかし、テストセンターや特定の監視ツールをインストールさせるタイプのテスト(TG-WEBの旧監視型など)では、ソフトが動かない可能性があります。就活時には大学のPCを借りるなどのバックアップ手段を考えておくと安心です。
Q2. ゲームは全くできないの?
A. 一部のゲームはプレイ可能ですが、制限があります。
『Minecraft』や『ドラゴンクエストX』などは動作しますし、『Fortnite』も2025年8月のアップデートでプレイ可能になりました。Apex Legendsも2025年8月のEasy Anti-Cheat(EAC)Arm対応により、2025年12月時点では動作可能になる見込みが高い段階です。しかし、Riot Vanguardを採用する『VALORANT』はまだ非対応です。対応状況は今後変わる可能性があるため、最新情報を各ゲームの公式サイトで確認してください。
Q3. 買ってから「あのソフトが動かない!」となったらどうすればいい?
A. 諦めるか、詳しい人に頼るしかありません。
どうしても必要なソフトが動かない場合、そのソフトのメーカーがARM版を出すのを待つか、Web版(ブラウザ版)で代用できるか探すことになります。どうしようもない場合は、その作業だけ大学のPC室で行うことになります。失敗したくないなら、最初はIntel/AMD機が無難です。
まとめ:購入前に必ずチェックすべき3ポイント
Snapdragon X Elite搭載PCは、バッテリー持ちと携帯性において「大学生の理想」に近いPCですが、互換性という「壁」がまだ残っています。購入前に以下の3つを必ずチェックしてください。
- 1. 学部の推奨環境(BYOD仕様書)を確認する
大学から配られる資料に「ARM版Windowsは不可」「Intel Core i5以上」と書かれていないか確認してください。特に理系や看護・医療系は要注意です。
- 2. 自分が使いたいソフトの対応状況を調べる
「このソフト名 ARM版」で検索してみましょう。特に大学配布のウイルス対策ソフト(Apex Oneなど)、プリンタードライバー、専門ソフトは要確認です。
- 3. 「バッテリー重視」か「安心重視」か決める
多少のリスクを取ってでも「充電器を持ち歩かない自由」を手に入れたいならSnapdragon(Surface Laptop 7など)。「4年間トラブルなく確実に使いたい」ならIntel Core Ultra搭載機を選びましょう。
あなたの大学生活の相棒となる1台、後悔のないように選んでくださいね!






